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2020/10/24

世界農業遺産「大崎耕土と南原穴堰」

今回の鳴子温泉プチ湯治で、夕食時に女将から教わった言葉が、「世界農業遺産」「大崎耕土」「南原穴堰」、これで二日目の歴史探訪が決まりました。
 宮城県北の大崎市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町の1市4町からなる大崎地方。 江合、鳴瀬の二大河川と、流域に張り巡らされた水路が「大崎耕土」を潤しています。
 先人から受け継ぐ伝統的水管理システムは、2017年12月、国連食糧農業機関(FAO)から「世界農業遺産」に認定されました。

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その一つ「南原穴堰」は、奥羽山脈の山形県境に近い大崎市鳴子温泉南原地区にあります。
 この地区は中山間地にあり、川からの取水が難しかった同地区にとって、農業用水の安定確保は切実な願いでした。
 近くの東遠鈴沢から水を引くため、江戸時代初め先人が知恵と工夫を凝らし、約19年の歳月をかけて手掘りで山をくり抜き水路を作りました。
 堰の全長1,880mのうち実に1,330mをトンネルが占め、その高低差は約20mで、勾配は僅か1%【100m進むと1m登る勾配(角度)が1%】、満足な道具も無い時代、洞窟内でたいまつを灯し、対岸からの明かりを確かめながら勾配を測ったと伝えられています。

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近くには、南原穴堰を構想した江戸時代の役人、遊佐平左衛門宣次を祭った「遊佐大神の碑」がありますが、先人の遺徳をしのび幕末に建立されました。

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「穴堰」の完成から400年近くを経た今も、地元の「南原穴堰水利組合」の組合員20人ほどが、春と秋の年2回見回っており、水路の落ち葉を取り除いたり、堤を補強したりして地域の遺産を受け継いでいるそうです。
(追記、地元紙「大崎タイムス」と、現地二ケ所の案内板を基に、この文章を纏めました!!)

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