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2011/06/23

実録昭和史「青根温泉と古賀政男」



「影を慕いて」といえば、古賀政男作詞・作曲の昭和歌謡で、昭和7年(1932年)3月に
藤山一郎の楽曲として発売されヒットした名曲です。
    まぼろしの
    影を慕いて 雨に日に
    月にやるせぬ 我が思い
    つつめば燃ゆる 胸の火に
    身は焦がれつつ 忍び泣く
何とも切ない詩で、古賀政男の人生の苦悩・絶望の中での叫びが込められていますが、
この曲には青根温泉そして不忘閣が深く関わっており、今日は雨の朝そんなお話です。
写真は、温泉街の青根洋館(古賀政男記念館)」と近くの森の「影を慕いて」の歌碑です。

【古賀政男の生きていた時代(前編)】
時代は昭和初期、モダニズムの翳ともいうべき暗い世相が蔓延していた頃のことです。
 古賀は己のロマンチシズムが崩壊し、その絶望から青根温泉で自殺を図りました。
宿泊先の不忘閣の番頭さんの機転で、一命を取りとめたのが昭和3年夏の事でした。
 その時に蔵王にかかった夕焼けを見て、「影を慕いて」の一片の詩が浮かんだと言われ
ており、翌年の明大マンドリン倶楽部の定期演奏会でギター合奏曲として発表されます。
そして翌々年、日本ビクターから発売されましたが、レコードはあまり売れませんでした。

【古賀政男の生きていた時代(後編)】
この曲が一世を風靡するには、藤山一郎(声楽家・増永丈夫)の登場を待つこととなり、
昭和7年(1932年)3月、日本コロンビアから改めて藤山一郎の歌唱によって発売され、
満州事変、五・十五事件など暗い世相を背景に人々の心をとらえ流行しました。
 まさに昭和という時代の「翳」を象徴していた歌ですが、その後も、美空ひばりや
森進一など多くの歌手によって歌われ、それぞれが曲の哀愁・感傷(センチメンタリズム)
を個性的に表現してきました。 

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