風の便りに聞いてはいましたが、昨年の「雪あかり」でお世話になった「今日の名湯“名号館”」が、静かにその歴史の幕を閉じておりました。 ご年配のご主人と女将さん、いつまでもご夫婦仲良くお元気で!!
なお、お宿の看板の奥にあるレンガの建物は、昔の街の共同浴場「名号湯」ですが、こちらは「じゃっぽの湯」が出来た2006年に閉鎖されました。

この温泉地で、唯一湯治客を受け入れていたお宿だけに、温泉バカとしては寂しい限りで、昨年2月13日掲載のスナップ写真を添付し、「温泉地の日本昔ばなし」で話を〆たいと思います。



【青根、峩々、遠刈田の日本昔ばなし】 (じゃっぽの湯公式サイトより)
宮城蔵王には、青根、峩々(がが)、遠刈田(とおがった)の3つの温泉地がありますが、このエリアには“面白い伝説”が残っています。
その昔、蔵王連峰のふもとには「三階滝」と「不動滝」という二つの滝が流れており、三階滝には「モクゾウガ二」という蟹が住んでいました。何百年も住む間にかなり体が大きくなったモクゾウガ二は、不動滝に引っ越しすることにしました。しかし、既に不動滝には大ウナギが住んでいたのです。モクゾウガ二は棲み家を奪うため、大ウナギに挑戦状を出しました。年老いた大ウナギは自分の力では勝てないため、美しい娘に姿を変えて、猟師の力を借りるために里に向かいました。そして猟師に、「不動滝の大ウナギを助けて欲しい」とモクゾウガ二退治の約束を取り付けました。
しかし決戦の日、なんと猟師は寝坊してしまいます。慌てて不動滝に向かった猟師ですが、時すでに遅し!大ウナギはモクゾウガ二に体を3つに切られ、天高く飛ばされてしまいました。猟師は心底後悔し反省しました。
この時飛ばされた大ウナギの頭が青根に、胴体が峩々に、尾が遠刈田に落ちたといいます。その場所から温泉が湧き、「青根温泉は頭痛やノイローゼなど頭の不調に、峩々温泉は胃腸に、遠刈田温泉は足腰に効果がある」と言われるようになりました。