今日の名湯「佐賀・嬉野温泉“椎葉の湯”」
武雄温泉同様歴史のある古湯で、「肥後風土記」(713年)に「東の辺に湯の泉ありて能く、
人の病を癒す」と記され、江戸時代には長崎街道の宿場町として栄えました。
又、お茶の産地としても有名な地で、おだやかな山里の風景を残す愛らしい町です。
さて、ぬめりのあるお湯は、ナトリウムを含む重曹泉で、角質化した皮膚をなめらかにし、
みずみずしい肌を蘇らせることから、日本三大美肌の湯とも呼ばれております。
【建物の雰囲気が造り出すもの】①
この温泉地には、古くから地元の公衆浴場として親しまれてきた古い洋館がありました。
しかし、寄る年波には勝てず、利用客の減少や老朽化を理由に1996年に閉鎖し、
大正13年に建てられた「古い洋館」は、川の畔で静かな眠りにつきました。
それから14年後の2010年4月、地元の強い要望で再建された「シーボルト館」は、
外観こそ昔の姿を再現しておりますが、色合いがやや強く私には馴染めません。
でも、入口には沢山の車が止められており、男女別の大浴場も5つの貸切風呂も休憩室
も、さぞや大勢の人で賑わっていた事でしょう。
【建物の雰囲気が造り出すもの】②
私たちが温泉街の喧騒を離れ、静けさを求めて向かった先は、大正屋の別館「椎葉山荘」、
その山荘の外湯の大露天風呂が「椎葉の湯」でした。
最初に外湯の建物、次に山荘、そして露天から内湯、内湯から露天を並べてみましたが、
自然をふんだんに活用した設計は、本家椎葉山荘にもひけをとらない温泉施設で、口煩い
温泉ファンを唸らせるセンスが伺えます。
外来入浴も9時から21時まで受け付けており、この抜群のロケーションの中の湯船が、
タオル・バスタオル付きで1,000円は、良心的な価格設定と感じました。